たまりは醤油の種類の一つで、主に東海地方で生産されています。武豊町内の味噌蔵では、今も伝統的な製法で味噌・溜り造りが行われています。
醤油の種類
醤油は、大豆等の穀物を主な原料として、麹と食塩を加えて、発酵、熟成させて作られる調味料です。
JAS規定の醤油は5種類あり、それぞれ特性や成分、色の濃淡を数値として決められています。
こいくち、うすくち、たまり、さいしこみ、しろ。
では、たまりはほかとなにがちがうのでしょうか。
たまりの特徴
材料 | ほぼ大豆で小麦は使用しても少量 |
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塩水 | 少ない |
仕込み | 味噌玉麹 |
色 | とても濃い |
大豆が主原料のため、うまみ成分がたっぷり含まれています。
見た目は濃くて、味も濃厚なので塩分も高いかと思われますが、うすくちやこいくちよりも少なめです。うまみ成分がしっかりあることで濃厚な味わいになっています。また、たんぱく質も他の醤油に比べて多くなっています。
たまりの起源
中国で味噌の製造法を習得した禅僧が和歌山県の西方寺(後の興国寺)に伝授したものが径山寺味噌(きんざんじみそ)です。この味噌の製造過程で味噌の底にたまった汁で料理すると美味しいことに気づいたことが醤油の原型と言われていて、「たまりしょうゆ」です。
さいごに
刺身の時はたまりと小さい頃から刷り込まれていたので、他県の友人から「たまりって何?」と聞かれた時はあれ?通じない?!と驚きました。何って聞かれても当たり前に深く考えず食卓にあがっていたので、刺身の時の醤油…?くらいしか思いつきませんでした。
武豊町の味噌蔵で作られた溜りは、各味噌蔵や、まちの駅味の蔵たけとよでも販売されています。
歴史は深く、独特のコクと香りをもつたまり。まだ使ったことがない方は、一度手に取って試してみてください。お料理を更に美味しくしてくれると思います。
参照
武豊町立図書館「武豊町と味噌・溜り」2013年
イチビキ「おいしいたまり醤油」https://www.ichibiki.co.jp/brand/tamari-soy-sauce/(2023年6月14日)